日本酒Q&A - 健康編

Q1.「お酒は百薬の長」っていわれるようですがどういう意味ですか?

Answer.適度な飲酒は血液循環をよくし、食欲を増進させます。百歳以上の健康な長寿者の約6割は毎日適量のお酒をたしなんでいるそうです。精神的なストレスの解消が大きな要因だそうです。ただし、健康面からも「適正飲酒」が勧められており、具体的には一日の量が日本酒なら2合、ビール中瓶2本、ウィスキーはダブル2杯までが目安です。

Q2.日本酒には制ガン効果があるって聞きました本当ですか?

Answer.全国市町村別標準化死亡比を見ると、肝硬変や肝がんによる死亡率が大きな地域差があることがわかります。全国のアルコール消費量を酒類別に比較してみたところ、東北地方を中心とする東日本、つまり日本酒をよく飲む地方の人たちの死亡率が非常に低いことがわかりました。次にヒトのがん細胞に日本酒の凝縮液を添加する実験を行ったところ、がん細胞の増殖が著しく抑制された結果がでました。この結果はウィスキーやブランデーでは認められないもので、そこから日本酒に含まれる何らかの成分ががん細胞増殖抑制作用があるのではないかと考えられています。

Q3.日本酒を飲むと美肌効果があるのですか?

Answer.飲んだお酒の種類によって体温がどのように変化するのかをサーモグラフィーで調べたところ、日本酒を飲んだ時には他のアルコールを飲んだ時よりも長時間、体温が2度ほど高い状態が続くという結果がでました。体温が高いということは、皮膚の表面の血液循環が良くなることですから、その状態が長く続けば、栄養分も体全体に十分に行き届くことにより、肌にツヤ・輝きがでるといわれています。冷え症にも良いし女性にもお勧めしましょう。考えてみれば、日本酒の原料のひとつであるお米には多くのエキス分が含まれているので当然かもしれませんね。

Q4.日本酒は太るとよく聞きます、太らない飲み方はありますか?

Answer.太る太らないというのは、日本酒(一合は約200キロカロリー・ごはん一杯分)そのものよりも、総摂取カロリーの問題です。お酒を飲む際、どうしても食事をしながら飲むことが多いでしょうから、低エネルギーのものを選ぶこと、そして最初に少量の油料理を食べ、あとはあっさりしたタンパク質食品や野菜を取るようにしましょう。最初に少量の油料理を食べることはアルコール吸収させるという効果があります。お酒の種類と肥満は関係がないようです、要は飲んだお酒の量の問題ですから、日本酒だから太るというわけではありません。

Q5.適量飲酒は心臓病の予防になると聞きました。本当でしょうか?

Answer.国の調査から、全然お酒を飲まない人よりも適量を飲む人のほうが狭心症や心筋梗塞など動脈硬化性の心臓病にかかりにくく長生きする結果がでております。その理由としてはお酒を飲むことで善玉のコレステロールが増え、動脈硬化が抑制されるというのが疫学的な定説です。コレステロールに悪玉と善玉があることはよく知られるようになりましたが、善玉が増えることで、血管の壁に溜まった余分なコレステロールを肝臓に運び、分解・代謝し、動脈硬化を防いでくれるということなのです。おいしいお酒は心と体の強い味方。楽しく長い付き合いをしましょう。

Q6.日本酒って悪酔いするイメージがあるんですが・・・

Answer.日本酒が特に悪酔いするという医学的な根拠はまったくないそうです。悪酔いの原因は、体内でのエチルアルコールが分解されてできたアセトアルデヒドが神経系への刺激症状を起こし、平衡感覚の興奮を導き、それが電解質のアンバランスや脱水、虚脱感をまねくためと言われています。したがってどんな酒でも大量に飲めば、アセトアルデヒドがそれに応じて体内に増えるので、当然悪酔いの原因になります。よく焼酎は悪酔いしないという人がいますが、それは飲酒量の問題と思われます。焼酎は水等で割ったりして飲みますから多く飲んでいるようでもアルコール摂取量はそうでもありません。「酔い覚めがいい」などといわれているため、飲んでいる人も悪酔いしないという暗示にかかり、結果として悪酔いしないのかもしれません。いずれにしても日本酒が他の酒に比べて特に悪酔いしやすいということはありませんのでご心配なく・・・乾杯!